少年犯罪と家庭教育 ──犯罪統計の読み方についての方法論的考察(2)

          (平成18年5月日初出)

 

 人格の形成において家庭教育・家庭環境が決定的に重要な役割を果たすことについては、異論をはさむ人はまずいないと思うが、もしその点で疑問を持つ人は、さしあたり『家庭教育の再生』(林道義編著、学時出版、2005年)を読んでもらいたい。

 ところで、家庭教育の問題と密接に関連する少年犯罪の増加や凶悪化の問題について、。

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 5 犯罪急増の原因は何か。

 少年犯罪の増加や凶悪化を過小評価したい人間の特徴として共通しているのは、家庭教育とか躾を過小評価する傾向が見られる点である。彼等は少年犯罪が生育歴や家庭教育の問題と直結していることから目をそらそうとする傾向を持っているのである。

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 6 急増した時期に共通点は見いだせるのか。違いはどこにあるのか。どの時期においても凶悪犯罪は少年が「キレた」結果か。「キレた」という言葉でくくっていいのか。

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 7 犯罪の蔭に家庭環境・家庭教育の問題あり。犯罪者を作り出す家庭環境とは。人間的共感と秩序感覚の育成の欠陥をもたらす家庭環境と社会環境。

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 8 「戦中生まれ」世代の家庭環境の特殊性。

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 9 「戦中生まれ」「団塊」世代の孫の世代

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 10 少年犯罪増加否定論者の心理

 さらにこんなことも言っている。「教育勅語の有用性を訴える老人」としては看過できない断定である。

 注目点はいろいろあります。昭和23年の強盗件数は戦後最高の3878件。これは戦後の混乱期だったことを示します。当時の17歳は、教育勅語による学校教育を受けています。近年、教育勅語の有用性を訴える老人がいらっしゃいますが、なんの効果もないことが証明されました。人間、食うのに困れば、盗みを働くのです。道徳教育を強化したところで、犯罪の抑止効果は期待できません。

 強盗には昭和35年にも、もうひとつのピークがあります。『病的性格』の記述どおり、戦後の混乱期を脱してなお、不思議なことに少年による強盗事件は増えていました。ということは、そもそも「戦後の混乱期だから犯罪が多かった」という説明が、的を射たものなのかどうか。疑問は残ります。(p.23-24)

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 JR東日本の調べによると、1998年からの4年間で、駅員に暴力をふるって警察ざたにまでなった乗客は、50代が最も多かったそうです。(p.30)  こんな危険なオトナたちを野放しにしておいていいものでしょうか。オジサンたちは「オレも昔はワルだった」と自慢げに語りますが、いまでもワルです。平成13年だけでも、50代と60代前半による凶悪犯罪は1237件、暴行・傷害は5353件起きています。少年法改正論議の前に、50・60代の心の闇をなんとかしたほうがよさそうです。(p.31)

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